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うつ病の黒幕発見 シスの暗黒卿

2022年1月26日(水)

現在、新型コロナウィルスオミクロン株が蔓延して、皆様の身体や精神を大変傷つけている状態です。このコロナウィルスとの戦いは私たちの体の健康だけではなく精神的な健康も脅かすものです。コロナウィルスによってまともな社会生活が不可能になってしまって外出して娯楽を楽しんだり仕事にいけなくなってしまったり、マスク下でうまくコミニケーションがとれなくなり、多くの人は精神的に病んでいき、結果的にうつ病になってしまう方もいます。

その中で2020年に、ノーベル賞受賞球の大発見がありました。

ついに!!うつ病の『黒幕』を発見したのです。

京慈恵会医科大学の近藤一博教授が、『うつ病の原因はウィルスによって起こされている!』という研究結果を発表しました。このウィルスはヒトヘルペス6型ウィルスと呼ばれ、ほとんどの人が感染しております。このウィルスは人の神経の中に隠れて感染しており、人と共生している共生ウィルスと呼ばれております。ただ何らかのストレスを受けるとウィルスが増殖し口腔内にこのヒトヘルペスウィルスが多くなります。よく見られるのは口唇ヘルペスと言われ、唇にチクチクと言う症状を起こします。今回の研究ではこのヘルペスが実はストレスによって増殖し、あるタンパク質を発現させ、そのタンパク質が脳神経細胞を破壊します。その結果、私たちは、抑うつなどの症状を起こすとされています。このようにヒトヘルペス6型によって生産されるタンパク質はヒトをダークサイドに落とすと言う意味から映画『スター・ウォーズ』のシスの暗黒卿からシス蛋白「SITH-1」と命名されました。

ヘルペスウィルスは人類の進化とともに人と共存し進化してきた共存ウィルスと呼ばれており人はストレスを受けたときに、ヘルペスウィルスが増殖し人に危険信号を発信していると考えられております。なのでヒトヘルペスウィルスは恐れるウイルスではなく共存していくウィルスであると言う事が重要です。

また、さらにうつ病はどんな人にでも起こりえる病気であるということが解明されました。心が弱いからなどと言う偏見ではなく人と共存してきたウィルスによって体のストレス信号によって引き起こされた症状と考えられます。

このシス蛋白が発見されたことによりうつ病のさらなる病態解明が進み、新薬につながることを期待しております。

あとは「ジェダイの騎士」を見つけるだけですね。

Kobayashi et al.Human Herpesvirus 6B Greatly Increases Risk of Depression by Activating Hypothalamic-Pituitary -Adrenal Axis during Latent Phase of Infection iScience 23, 101187, June 26, 2020

http://jikeivirus.jp/wp-content/uploads/2020/06/2b5442c6724af0b997f15463558a52c9.pdf

転記

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