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<特集>心臓バイオマーカー

2022年2月16日(水)

Q「心臓病は犬猫で多いのですか?」

心臓病は、犬猫において一般的な病気です。

犬では8歳以上で75%が心臓に疾患を有しており、

猫では、生まれつき心筋症という病気を持っている猫も多くいます。

一般的に症状がないと病院に来ることはなくて、診察を受けて、

すでに進行して発見されるケースがとても多いのが実情です。

 

Q「心臓病は血液検査で診断できますか?」

現在、獣医療では心臓の血液心臓の検査において心臓の状態を測定することができる心臓バイオマーカーが開発され、臨床現場で広く使用されています。

 

Q「心臓バイオマーカーとはどういう物質ですか?」

心臓は体の臓器で一番重要な組織であり、重要な機能を司っているため、心臓の障害が生じると生体に知らせる信号というのが多数存在します。これを心臓バイオマーカーと呼んでいます。

 

Q「心臓バイオマーカはどんな種類がありますか?」

心臓バイオマーカーは心房筋・心室筋それを構成している心筋細胞から産生分泌され血液検査で測定できる物質です。獣医医療において検査が可能な心臓バイオマーカーは3種類あります

①A型ナトリウム利尿ペプチド(ANP)

②N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチドを(NT-proBNP)

③心筋トロポニン(cTnl)

これらの心臓バイオマーカーにはそれぞれ特徴があるため。現場の獣医さんが心臓の病状に鑑みて測定します。

うつ病の黒幕発見 シスの暗黒卿

2022年1月26日(水)

現在、新型コロナウィルスオミクロン株が蔓延して、皆様の身体や精神を大変傷つけている状態です。このコロナウィルスとの戦いは私たちの体の健康だけではなく精神的な健康も脅かすものです。コロナウィルスによってまともな社会生活が不可能になってしまって外出して娯楽を楽しんだり仕事にいけなくなってしまったり、マスク下でうまくコミニケーションがとれなくなり、多くの人は精神的に病んでいき、結果的にうつ病になってしまう方もいます。

その中で2020年に、ノーベル賞受賞球の大発見がありました。

ついに!!うつ病の『黒幕』を発見したのです。

京慈恵会医科大学の近藤一博教授が、『うつ病の原因はウィルスによって起こされている!』という研究結果を発表しました。このウィルスはヒトヘルペス6型ウィルスと呼ばれ、ほとんどの人が感染しております。このウィルスは人の神経の中に隠れて感染しており、人と共生している共生ウィルスと呼ばれております。ただ何らかのストレスを受けるとウィルスが増殖し口腔内にこのヒトヘルペスウィルスが多くなります。よく見られるのは口唇ヘルペスと言われ、唇にチクチクと言う症状を起こします。今回の研究ではこのヘルペスが実はストレスによって増殖し、あるタンパク質を発現させ、そのタンパク質が脳神経細胞を破壊します。その結果、私たちは、抑うつなどの症状を起こすとされています。このようにヒトヘルペス6型によって生産されるタンパク質はヒトをダークサイドに落とすと言う意味から映画『スター・ウォーズ』のシスの暗黒卿からシス蛋白「SITH-1」と命名されました。

ヘルペスウィルスは人類の進化とともに人と共存し進化してきた共存ウィルスと呼ばれており人はストレスを受けたときに、ヘルペスウィルスが増殖し人に危険信号を発信していると考えられております。なのでヒトヘルペスウィルスは恐れるウイルスではなく共存していくウィルスであると言う事が重要です。

また、さらにうつ病はどんな人にでも起こりえる病気であるということが解明されました。心が弱いからなどと言う偏見ではなく人と共存してきたウィルスによって体のストレス信号によって引き起こされた症状と考えられます。

このシス蛋白が発見されたことによりうつ病のさらなる病態解明が進み、新薬につながることを期待しております。

あとは「ジェダイの騎士」を見つけるだけですね。

Kobayashi et al.Human Herpesvirus 6B Greatly Increases Risk of Depression by Activating Hypothalamic-Pituitary -Adrenal Axis during Latent Phase of Infection iScience 23, 101187, June 26, 2020

http://jikeivirus.jp/wp-content/uploads/2020/06/2b5442c6724af0b997f15463558a52c9.pdf

転記

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