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猫ちゃんの第二の体温計:「SAAについて」
2022年1月31日(月)
猫ちゃんの第二の体温計:「SAAについて」
炎症といっても患者さんが痛い辛いと言わない限り炎症が起きているのかどうか、獣医師が判断することはとても難しいです。人では体温計を使いますよね。もちろん犬や猫ちゃんでも体温を測定しますが、滅多なことじゃないと体温は上昇しませんし、体が弱っているのに体温は正常なことだってたくさんあります。
なので、猫ちゃんの体調を判断するのには体温計だけではわかりません。動物医療にとって獣医師が炎症に築けるかどうかはとても重要なポイントなので、今日は炎症マーカーについて記事を書きたいと思います。
人間では炎症の判断について、血液検査で炎症性マーカーというのが古くから使われてきました。人間の炎症性マーカーはCRP(別名C反応性蛋白)と呼ばれます。これは血液検査で簡単に測定が可能であり、この数値が高いと生体メカニズムに大きな影響与える炎症が存在すると診断ができます。
以前までは人間用のCRPを応用して獣医領で検査として使用できるかなど、模索した時代もありましたが結果的にうまくいきませんでした。
その結果を受けて犬用のCRP 検査の開発が行われました。
現在、犬のCRPは人間と同様に血液検査機械で院内検査が可能です。
CRPの値が高いければ「生体メカニズムに大きな影響与える炎症が存在する』と考えて治療に対応することができます。
「では猫はどうやって炎症の有無を判断するの?」
猫は痛みがあっても飼い主に伝えることがあまりなく大変繊細で痛みのストレスで手遅れになってしまう場合がとても多い動物です。
猫では犬のCRPと同様、炎症反応性蛋白を測定する研究が行われてきました。そして猫の炎症を示唆する炎症マーカーであるSAAを発見し測定することが可能になりました。
これにより猫ちゃんの炎症の有無を詳しく簡単に調べることが可能になり、多くの猫ちゃん達の診察に有用なツールになりました。