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新型コロナウイルス「デルタ株」が人から犬に感染
2022年2月16日(水)
新型コロナウイルス「デルタ株」が人から犬に感染したことが報告される。(2021年12月スペインからの報告)
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2型(SARS-CoV-2)の自然感染例は、犬に対しての感染しづらいと言われているにもかかわらず、実際は、現在までに数例報告されています。今回、スペインでデルタ(B.1.617.2)株に感染している濃厚感染者の家族から飼育している犬に感染し、下痢や呼吸器症状を発症したとの報告がありました。
この犬は、軽度の下痢および呼吸器の臨床症状を示し、口腔咽頭スワブサンプルを採取しPCR検査を行ったところのウイルス量が少なかったものの、 Delta 変種に感染していました。
しかし、臨床症状の発現から20日後に口腔咽頭および直腸ぬぐい液を採取し検査したところ、すでに陰性になっておりました。その後も経過は良好で、症状も改善しています。
新型コロナウイルスは猫科の動物に比較的感染しやすいと言われており、感染猫も軽度の症状で自然治癒しています。今回の報告では、ヒトからイヌにも感染する可能性が出てきております。
コウモリはSARS-CoV-2の最初の宿主であると考えられていますが、中間宿主が依然謎のままであり、感染経路も不明です。コロナパンデミックの始まって以来、いくつかの家畜や野生動物がSARS-CoV-2感染が感染が確認されており、さらに、ヒトから動物への逆ズーノーシスの報告も相次いでいます。
犬や猫のペットは飼い主との密接な接触によりSARS-CoV-2への濃厚接触が高いため、現在のところ、犬や猫に感染しても重症化するという報告はありませんが、引き続き、コロナウイルスの変異の多様性とヒトとペットの相互感染及び、変異の加速に注目する必要があります。
ちなみにSARS-CoV-2のヒトから犬への感染は、コロナパンデミックの初期と、アルファ(B.1.1.7)とデルタ(B.1.617.2)が世界のいくつかの地域で報告されておりますが、
犬から人への感染報告はありませんので、安心してください。