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心臓が悪くなると、なぜ腎臓も悪くなるのか・

2022年1月28日(金)

心臓が悪くなると、なぜ腎臓も悪くなるのか?

心不全によって引き起こされる腎臓病を「心腎関連症」と呼びます。

今回はこの病気のメカニズム:負の連鎖について書きたいと思います。

心臓病になると心臓がうまく血液を循環させることができなくなります。

血液の還流が滞ることによって、ダメージが起きやすい臓器が腎臓です。

心臓が悪化すると拍出量(血流量)が減少し腎臓への血液量の減少が生じます。

血液中の酸素や栄養分を腎臓に届けることができなくなり、腎臓は栄養不足・酸欠状態になって腎臓の細胞が死んでいきます。腎臓の機能がある一定まで低下すると体中の窒素産物を尿として排出する機能が失われていき、それによって体は尿毒症を起こしてきます。

しかし、尿毒症を回避するために腎臓の動脈が過度に収縮してしまう機構(RASSの活性化)が働き、水分だけが尿として排出され、結果的に血中の尿毒素(BUN)が増加してしまいます。さらに心臓病の薬である利尿剤を投与すると、腎臓に負担をかけて尿を産生させ、さらに体を脱水に導きます。結果的に、心臓の薬によって、腎不全に拍車がかかり心不全に腎不全が併発してしまう病態につながります。

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獣医師として 心臓病を治療したい!でも腎臓病が悪化するリスクをがあるので慎重に治療のプランニングを行っていきます。

心臓病の治療は、腎臓機能のモニターが必須なんです。

実際に

病院では心腎関連症なのかを判断するために

以下の検査を実地してします

採血による以下の項目のチェック

1BUN

2CRE

3IP

4SDMA

必要であれば尿検査の実地を行います