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GS-441524の入手と治療の現状

2024年5月26日(日)

GS-441524の入手と治療の現状

GS-441524はFIP治療において有望な薬として注目されていますが、いくつかの問題点が存在しています。

法的規制と入手の困難さ

GS-441524は多くの国でまだ正式な薬事承認を受けていないのが実情です。(2024年5月現在)そのため、合法的に入手することが難しく、飼い主や獣医師にとって大きな課題となっています。一部の飼い主は、インターネット上で非合法に薬を購入することを余儀なくされていますが、これには偽薬や品質の問題が伴うリスクがあり、安全性が保証されていません。

医薬品の規制

一部の国では、GS-441524の使用が特定の条件下で許可されている場合もありますが、これには厳しい規制が伴います。例えば、治験としての使用や特定の研究機関でのみ使用可能なケースが多いです。これにより、一般の飼い主が治療を受けることが非常に限定されています。

治療のコスト

GS-441524による治療は非常に高額です。治療期間は通常12週間程度であり、毎日の注射が必要です。このため、治療全体のコストが非常に高くなり、多くの飼い主にとって経済的な負担が大きいです。また、輸入コストや非合法ルートでの購入はさらに価格を引き上げる要因となります。

薬の供給と品質管理

現在、GS-441524の供給は安定しておらず、一部の製造元からの供給に依存しています。また、非合法に取引される薬には品質管理が徹底されていないものも多く、効果が望めない場合もあります。なので、動物病院での治療を受ける際はその点をしっかり獣医師から聞く必要があります。

獣医師のサポート

GS-441524は新しい治療法であるため、すべての獣医師がその使用経験を持っているわけではありません。適切な治療を受けるためには、FIP治療に精通した獣医師の指導が必要です。

将来的な展望

これらの問題点を克服するためには、さらなる研究と日本国内での薬事承認が必要です。多くの猫を救うために、GS-441524のような有望な薬が広く普及しやすくなることが期待されています。現在も進行中の臨床試験や研究により、将来的にはより安全で効果的な治療法が確立されることが望まれております。


 

猫伝染性腹膜炎の治療

2024年5月24日(金)

猫伝染性腹膜炎の治療:希望と挑戦

猫伝染性腹膜炎とは?

猫伝染性腹膜炎(FIP)は、猫における致命的なウイルス性疾患で、猫コロナウイルス(FCoV)によって引き起こされます。FCoVは一般的に無害ですが、一部の猫では突然変異を起こし、FIPに進行することがあります。この病気は腹部や胸部に液体がたまり、全身に炎症を引き起こします。

FIPの症状

FIPには湿潤型と乾燥型の2種類があります。ウエット型では、腹部や胸部に液体がたまり、腹部膨満や呼吸困難を引き起こします。ドライ型では、腸や肝臓などの内部器官に炎症が広がり、発熱、食欲不振、体重減少などの症状が見られます。どちらの型も進行が早く、致死率が高いのが特徴です。

伝統的な治療法

従来のFIP治療は対症療法が中心であり、症状の軽減を目的としていました。抗生物質や抗炎症薬、利尿薬などが使用されることがありますが、根本的な治療法はありませんでした。そのため、多くの獣医師が安楽死を選択せざるを得ない状況でした。

新しい治療:GS-441524

近年、抗ウイルス薬GS-441524がFIP治療において注目を集めています。この薬は、FIPの原因となるウイルスの複製を阻害し、高い効果を示しています。多くの臨床試験で、GS-441524を使用した猫の多くが完全に回復した例が報告されています。

GS-441524は、カリフォルニア大学デービス校(UC Davis)のNiels Pedersen博士とその研究チームによって開発されました。もともとは、エボラウイルス治療薬として研究されていたRemdesivirの前駆物質です。FIPの原因である猫コロナウイルスに対する効果が期待され、猫での治療に転用されました。研究の結果、GS-441524がFIPの治療に非常に効果的であることが確認され、現在では多くの猫の命を救う治療法として使用されています​ (Cornell Vet)​。

メカニズム

GS-441524は、ウイルスのRNAポリメラーゼを阻害し、ウイルスの複製を妨げることで効果を発揮します。これにより、感染の進行を抑え、猫の免疫システムが病気と戦うのを助けます​ (Cornell Vet)​。

 

GS-441524の入手と治療の現状

GS-441524は現在、一部の国で利用可能ですが、正式な薬事承認を受けていないため、入手が難しい状況です。獣医師の指導の下で治療を行う必要がありますが、違法に取引されることもあるため、注意が必要です。飼い主は信頼できる情報源から薬を入手し、獣医師と密に連携することが重要です。

治療にかかるコストと時間

GS-441524による治療は、高額な費用がかかることがあります。また、治療期間は通常12週間程度で、毎日の注射が必要です。これにより、経済的および時間的な負担が大きいことが課題となっています。

飼い主ができること

FIPと診断された場合、飼い主としてできることは、早期発見と迅速な治療開始が鍵です。また、ストレスを減らし、免疫力を高めるための適切な環境を整えることも重要です。さらに、信頼できる獣医師との連携を強化し、最新の治療法や情報を常に把握しておくことが求められます。

未来の展望

FIP治療はまだ多くの課題がありますが、GS-441524のような新しい薬の開発により、多くの猫が救われる可能性が広がっています。今後、より多くの研究が進み、安全で効果的な治療法が普及することを期待しています。

おわりに

猫伝染性腹膜炎は恐ろしい病気ですが、新しい治療法の登場により、希望が見え始めています。愛猫の健康を守るために、飼い主として常に最新の情報を収集し、適切な対策を講じることが大切です。

 

新型コロナウイルス「デルタ株」が人から犬に感染

2022年2月16日(水)

新型コロナウイルス「デルタ株」が人から犬に感染したことが報告される。(2021年12月スペインからの報告)

 

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2型(SARS-CoV-2)の自然感染例は、犬に対しての感染しづらいと言われているにもかかわらず、実際は、現在までに数例報告されています。今回、スペインでデルタ(B.1.617.2)株に感染している濃厚感染者の家族から飼育している犬に感染し、下痢や呼吸器症状を発症したとの報告がありました。

この犬は、軽度の下痢および呼吸器の臨床症状を示し、口腔咽頭スワブサンプルを採取しPCR検査を行ったところのウイルス量が少なかったものの、 Delta 変種に感染していました。

しかし、臨床症状の発現から20日後に口腔咽頭および直腸ぬぐい液を採取し検査したところ、すでに陰性になっておりました。その後も経過は良好で、症状も改善しています。

新型コロナウイルスは猫科の動物に比較的感染しやすいと言われており、感染猫も軽度の症状で自然治癒しています。今回の報告では、ヒトからイヌにも感染する可能性が出てきております。

コウモリはSARS-CoV-2の最初の宿主であると考えられていますが、中間宿主が依然謎のままであり、感染経路も不明です。コロナパンデミックの始まって以来、いくつかの家畜や野生動物がSARS-CoV-2感染が感染が確認されており、さらに、ヒトから動物への逆ズーノーシスの報告も相次いでいます。

犬や猫のペットは飼い主との密接な接触によりSARS-CoV-2への濃厚接触が高いため、現在のところ、犬や猫に感染しても重症化するという報告はありませんが、引き続き、コロナウイルスの変異の多様性とヒトとペットの相互感染及び、変異の加速に注目する必要があります。

ちなみにSARS-CoV-2のヒトから犬への感染は、コロナパンデミックの初期と、アルファ(B.1.1.7)とデルタ(B.1.617.2)が世界のいくつかの地域で報告されておりますが、

犬から人への感染報告はありませんので、安心してください。

First Detection of SARS-CoV-2 Delta (B.1.617.2) Variant of Concern in a Dog with Clinical Signs in Spain

(最新の論文)コロナウイルスと猫の関係:ついに判明した事実

2022年2月10日(木)

『コロナウイルスと猫の関係について』

コロナウイルスは猫の下痢を生じさせるウイルス疾患の一つです。

ネココロナウイルスと呼ばれており、病原性が軽度で、多くの猫が感染しております。

アルファ属のウイルスで、この属にはイヌコロナウイルス・ブタコロナウイルスなど哺乳類に感染するコロナウイルスが所属しています。

 

『ネココロナウイルスの強毒株の出現』

猫伝染性腹膜炎という病気をご存知でしょうか?

確定診断することが困難で、この病気になると猫はほぼ100%の確率で死に至らしめる凶悪なウイルス性疾患です。

この猫伝染性腹膜炎(以下F I P)の原因ウイルスがコロナウイルスとの何らかの関係が示唆されてきましたが謎が多い病気で、診断すら不可能です。(現在P C R検査で補助的にコロナウイルスの検出を行なっていますが、確実な検査とは言えません。)

しかし多くの研究でその原因がようやく解明されてきました。

実はネココロナウイルス1型(F C O V−1)とネココロナウイルス2型(F C O V−2)が重複感染してしまうと、猫の細胞内で遺伝新組み換えが発生し、猫伝染性腹膜炎ウイルスに変異することがわかっています。

今回イタリアの論文(2021 Research in Veterinary Science Mutation analysis of the spike protein in Italian feline infectious peritonitis virus and feline enteric coronavirus sequences.)で、F I Pに感染している猫の腹水サンプル19症例と 猫コロナウイルス21症例のコロナウイルスのRNAの塩基配列を比較したところ、コロナウイルスのスパイクタンパク質S1060AとMタンパク質M1058Lに変異が確認されたとの報告がありました。今回の論文で、もしかしたら近い将来、F I Pの遺伝子検査の確立がなされる可能性があり、さらに治療法の研究につながるでしょう。

*ちなみにネココロナウイルス及び猫伝染性腹膜炎ウイルスFIPはヒトには感染しません。

Research in Veterinary Science

Volume 135, March 2021, Pages 15-19

Mutation analysis of the spike protein in Italian feline infectious peritonitis virus and feline enteric coronavirus sequences.

イタリアのネコ伝染性腹膜炎ウイルスおよびネコ腸コロナウイルス配列におけるスパイクタンパク質の変異分析。

N.DecaroaV.MariaG.LanaveaE.LorussoaM.S.LucenteaC.DesarioaM.L.ColaiannibG.EliaaF.FerringobF.AlfanocC.Buonavogliaa

 

特集:コロナウイルスの基礎知識

2022年2月10日(木)

Q「コロナウイルスはどんなウイルスですか?」

コロナウイルスは遺伝子はDNAではなく一本鎖RNAが存在し、30000塩基配列をコードしています。(RNAウイルスのなかでは最大)

大きさは直径100nmの球状ウイルスです。

表明に突起状のスパイクが多数存在し、電子顕微鏡で、「太陽の日食時に見られるコロナ」状に見えるためにコロナウイルスと名付けられました。

コウモリなどが宿主と言われており、多くの哺乳類(ヒトイヌネコブタウシ鳥類など)に感染し比較的に軽度の症状を示すウイルスとして有名でした。

Q「コロナウイルスの分類から考えるウイルスの仲間達について」

ウイルスたちは、人間のように人種のような区分があります。

今回のコロナウイルスはニドウイルス目のコロナウイルス科に分類されていおり、

さらに、それはコロナウイルス亜科とトロウイルス亜科に大別される。

そしてコロナウイルス亜科はアルファ ベータ ガンマ デルタ に分けられており

哺乳類(人・犬・猫・豚・イルカ・コウモリ・マウス・ラットなど)や鳥類に感染する共生ウイルスでした。

Q「ヒトの風邪ウイルスとしてのコロナウイルス」

コロナウイルスはそもそも、ヒトの風邪のウイルスです。

229E株・OC43株・NL63株・HKU1株の4種類のコロナウイルスはヒトの風邪ウイルスとして有名です。

しかし、コロナウイルスは容易に変異を繰り返すウイルスのなので、もちろんこの他にも風邪症状を引き起こす変異コロナウイルスは多く存在する可能性はあります、解析はされていないのが実情です。。

なぜなら、風邪の原因となるコロナウイルスは致死性が低く、ヒト以外からの感染経路が不明であったためでした。

Q「コロナウイルスの歴史を教えてください」

突然の強毒株の出現!!!

「SARSコロナウイルスによる重症呼吸器症候群の発生」

2002年に中国広東省で致死率10%の重大な呼吸器疾患感染症が登場し、これはのちの解析で、変異したコロナウイルスがコウモリから人への感染がによって発症した感染症であることが解明されました。このSARSコロナウイルスはベータ属のコロナウイルスに分類され、ヒトのACE2受容体に結合して体に侵入することもわかっている。

「中東呼吸器症候群の発生」

サウジアラビアを中心としてヒトコブラクダから感染する致死率35%の感染症が韓国内でアウトブレイクが起きました。

ヒトからヒトへの感染も確認され、SARSウイルスと同類と考えられ、ベータ属のコロナウイルスに分類された。そしてこのコロナウイルスはヒトのDPP4受容体に結合して体に侵入することも解明されました

「新型コロナウイルスの発生」

2020年2月にパンデミックになっていたコロナウイルスのゲノム塩基配列が解明され、その塩基配列が2003年に発見されたSARSコロナウイルスと大変酷似していることがわかった。それによりSARSコロナウイルス2型SARS–COV−2と命名され、COVID−19と正式名命名された。

さらにスパイクタンパク質が変異が起き、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、オミクロンがWHOにおいて命名されています。

人から人へ感染する、そして人から猫への感染するウイルスに変異。

実はコロナウイルスは以前から「猫」と相性がいいと言われてしまっています。

*猫の特集はまた次回

歴史的から見ても・・・・・

コロナウイルスは哺乳類全般に発生して、さまざまな変異を繰り返し、ヒトでは風邪の一般的なウイルスだったのがSARS、MARS、さらに新型コロナウイルスに変異している。おそらく風邪コロナウイルスも昔は致死率が高い強毒株が存在し、致死率が低い風邪コロナウイルスに弱毒変異した可能性が高いと考えられています。

 

 

オミクロン株(B.1.1.529)の命名法

2022年2月7日(月)

最近、オミクロン株の話題ばかりで、嫌になりますが、一応知っておいた方がいい基礎知識、、、と言いながら少し難しいです。

今日は「オミクロン株(B.1.1.529)の命名法」について

このコロナウイルスって誰が命名していると思いますか?

WHOの偉い人?って思ってました。もちろんそれも間違いではないです。

ただ、科学的に分類するために以下の方法で分類がされ、命名されています。

 

新型コロナウイルスはSARSコロナウイルスに類似した塩基配列を有し、極めて変異しやすいウイルスとして感染拡大が生じており、遺伝学的に分類し、命名するのには数が多すぎてしまう。よって、データーベースを構築し、シークエンサーで塩基配列を読み込んで、そのデーターベースにアップロードすることで、分類・命名さするという事になりました。

*B.〇.〇.〇等の分類はPango命名法と呼ばれ、WEB上の新型コロナの発生源であるセンザンコウの遺伝子を元にアルゴリズムに基づいて系統を割り当てるソフトウェアで分類が行われております。

つまりは、コロナウイルスの遺伝子塩基配列をソフトウエアにアップロードするとビックデーターを元に人工知能によって分類されるという事かな

Pango命名法

 Phylogenetic Assignment of Named Global Outbreak LINeagesの頭文字で、訳すると「世界的な大流行と命名された系統樹の割り当てを行い命名する方法」 

*オミクロンなどのギリシャ数字の命名はあくまでもWHOがラベリングした標記である

アルファ株ベータ株ガンマ株デルタ株オミクロン株

スクリーンショット 2022-02-06 21.33.10.png

コロナウイルスが変異しやすい理由

2022年2月7日(月)

コロナウイルスは

•ニドウイルス目

•コロナウイルス科

•コロナウイルス亜科

•トロウイルス亜科

•コロナウイルス属

のウイルスで、RNA 1本鎖ウイルスです。

ここで重要なのが、コロナウイルスは、RNAウイルスの中で、もっとも塩基配列が長く30000塩基も有します。

これってどういう意味かというと、「とっても変異しやすい」という事なんです。

「変異しやすいこれだけの理由」

①そもそも何で変異しやすいかというと、

30000もの塩基配列を有するRNAの一部はスパイク蛋白という蛋白をコードしているのですが、この塩基配列がすぐに変異してしまうんです。

変異すると、感染しやすくなり、人間の体内に容易に入り込みやすくなります。

最近になり、ちょと気になるニュースも飛び込んできました。。

すでにHIVウイルスに感染している患者さんがこのコロナウイルスに感染すると、変異が急激に生じ、20以上もの変異コロナウイルスが生じるとの研究が南アフリカで報告されているとブルームバーグ紙がWEB版で報じてます

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-01-31/R6JZ9OT0AFB401

②スパイクタンパク質が大きく変異すると動物に感染が可能になる。すると動物の胎内でダイナミックな変異が生じ、種を超える凶悪なウイルスになる可能性がある。

 

ただ、強毒化しすぎてしまうと、ウイルス自身が感染させた感染者をあっという間に殺してしまうので、ウイルス自体にはメリットがありません。

なぜなら、ウイルスはそもそも遺伝子の運び屋としての機能しかなく、自己増殖ができないので、宿主(感染者)を殺してしまうとウイルス自体の生存に関わってきます。

なので、今回のコロナウイルスも徐々に弱毒化が進み、共存ウイルスとしてウイルス進化してくか、または、ヒト自身の免疫が進化するかのどちらかになるはずです。

オミクロン株の命名法

2022年2月7日(月)

最近、オミクロン株の話題ばかりで、嫌になりますが、一応知っておいた方がいい基礎知識、、、と言いながら少し難しいです。

今日は「オミクロン株(B.1.1.529)の命名法」について

このコロナウイルスって誰が命名していると思いますか?

WHOの偉い人?って思ってました。もちろんそれも間違いではないです。

ただ、科学的に分類するために以下の方法で分類がされ、命名されています。

 

新型コロナウイルスはSARSコロナウイルスに類似した塩基配列を有し、極めて変異しやすいウイルスとして感染拡大が生じており、遺伝学的に分類し、命名するのには数が多すぎてしまう。よって、データーベースを構築し、シークエンサーで塩基配列を読み込んで、そのデーターベースにアップロードすることで、分類・命名さするという事になりました。

*B.〇.〇.〇等の分類はPango命名法と呼ばれ、WEB上の新型コロナの発生源であるセンザンコウの遺伝子を元にアルゴリズムに基づいて系統を割り当てるソフトウェアで分類が行われております。

つまりは、コロナウイルスの遺伝子塩基配列をソフトウエアにアップロードするとビックデーターを元に人工知能によって分類されるという事かな

Pango命名法

 Phylogenetic Assignment of Named Global Outbreak LINeagesの頭文字で、訳すると「世界的な大流行と命名された系統樹の割り当てを行い命名する方法」

*オミクロンなどのギリシャ数字の命名はあくまでもWHOがラベリングした標記である

アルファ株ベータ株ガンマ株デルタ株オミクロン株

スクリーンショット 2022-02-06 21.33.10.png

ステルスオミクロン株 BA2

2022年2月6日(日)

ステルスオミクロンと聞くと発見しづらいと勘違いしている方もいますので、今回はこの記事を書きます。

 

現在日本のオミクロン株の状況2022年1月末日現在の報告

https://outbreak.info/situation-reports/omicron?loc=ZAF&loc=GBR&loc=USA&loc=JPN&selected=JPN&overlay=false

BA1がとても優位に高くなっているのが実情です。

BA2は俗に「ステルスオミクロン株」と言われています。

しかしこの名称には少々、語弊があると思います。

海外の多くのPCR検査では、コロナウイルスのある一部の部分を検出して検査しています。今回、その部位が変異を起こしてしまい検出が困難になってしまいました。

よって、BA2は発見が難しく「ステルス」の異名がつきました。

しかし、遺伝子解析が迅速に進み、現在は海外でもPCR検査で検出可能になっています。

ちなみに、日本のPCR検査ではステルスオミクロンは検出可能です。

スライド8.jpeg

オミクロン株の分類と種類

2022年2月5日(土)

新型コロナウイルスの現在、爆発的パンデミックを起こしているオミクロン株について記事を書きたいと思います。

オミクロン株はベーター属のBに所属するコロナウイルスで「B.1.1.529」という分類をされています。

2021年11月24日WHOではこのにSARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統を

「監視下の変異株:VOI」という位置付けにしていたが

「懸念される変異株:VOC」として格上げして

「オミクロン株」と命名しました。

オミクロンは「BA1」「BA2」「BA3」の3系統に分類され、この分類はスパイクタンパク質の変異箇所やその位置で大別されている。

オミクロン株ではスパイク質に30箇所の変異が認められ、その他にも変異が見つかっています。

ほとんどのオミクロン株はスパイクタンパク質をコードしている遺伝子配列の214の位置に3つのアミノ酸が挿入変異が生じています。

俗にギリシャ数字のラベリングはWHO分類であり、遺伝子変異の場所数でB.〇.〇.〇と分類されます。

•オミクロン株(B.1.1.529)の仲間

•BA.1(B.1.1.529.1)

•BA.1.1(B.1.1.529.1.1)

•BA.2(B.1.1.529.2)

•BA.3(B.1.1.529.3)

スライド7.jpeg

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