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猫を迎え入れたらすること:②-1寄生虫検査

2024年6月10日(月)

こんにちは🙂今回は猫を迎え入れたら病院ですることシリーズ第2段!

寄生虫についてです。

こちらは特に元々外で暮らしていた猫にとって重要な項目となります◎

 

寄生虫と言ってもたくさんの種類がありますが、

これらは大きく分けると外部寄生虫と内部寄生虫に分けられます。

 

今回は外部寄生虫についてのお話しです。

 

外部寄生虫とは、体内ではなく体の表面や耳などに寄生する虫たちのことで

ノミ、マダニ、ミミヒゼンダニ等が含まれます。

 

『ノミ』

ノミは動物の体に寄生し吸血します。この吸血時に、ノミの唾液が寄生されている動物の体の中に入ることでアレルギー反応が出ることがあります。

また、ノミを介して動物間で感染が広がっていく病気もあります。ノミが病気の運び屋として働くということです!!

 

『マダニ』

マダニも動物の体に寄生し吸血します。

マダニ一匹一匹が吸血する量は少ないですが、これがたくさん寄生すると貧血を起こしてしまいます。また、マダニもノミと同じように病気の運び屋となることがあります!!

(ノミとマダニが運ぶそれぞれの病気については、また別の機会にお話しできればと思います)

 

『ミミヒゼンダニ』

動物の耳に寄生し、痒みを引き起こします。また、乾いた黒い耳垢が出てくることも特徴のひとつです。

痒いから耳を掻く耳に傷ができる化膿することで外耳炎に繋がることもあります。

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これらの検査方法は目視で確認👀することです。

皮膚の表面を直接見たり、耳垢などを顕微鏡で観察します。

もし見つけた場合は駆虫薬で対処します。

 

また、これらには予防薬があります。

予防薬は1種類ではなく、投与スタイルや間隔が異なる様々な種類があるため、主治医の先生と相談してなにを使うか決めてください。

 

猫を迎え入れた最初だけでなく、

定期的に病院に行き予防することをお勧めします!!

 

 

猫を迎え入れたらすること:①ワクチン接種

2024年6月9日(日)

 

こんにちは🙂今回は猫を迎え入れたら病院ですることシリーズ第1段!

ワクチン接種についてお話ししたいと思います。

我々が自分のワクチンを打ちに行くときは、これから自分は何に対してのワクチンを打つのか明確にわかっている状態で病院に行くと思います。

では、猫ちゃんのワクチンはなにを予防しているのかご存知でしょうか。

 

猫のワクチンには、コアワクチンとノンコアワクチンが存在します。

 

コアワクチンとは全ての猫に接種したいワクチンで、

ノンコアワクチンは感染リスク(よく外に出る子や野良猫との接触機会がある子)があるかどうかによって打つ必要があるかを判断するワクチンです。

 

ここでは、コアワクチンについてをお話ししたいと思います

猫のコアワクチンとは、3種混合ワクチンのことを指します。

これは名前の通り3種類のウイルスに対応しています。

猫カリシウイルス

猫ウイルス性鼻気管炎ウイルス

猫汎白血球減少症ウイルス

これを子猫は複数回、それ以降は年に1回を目安に接種します。

(適切な接種回数や間隔はその子によって異なるので、主治医の先生と相談してください。)

 

それでは、このウイルスに感染するとどのようになってしまうのか

それぞれ詳しくお話しします。

<猫カリシウイルス>

いわゆる猫風邪の原因ウイルスです。

ウイルスを体内に持つ猫の分泌物(=唾液や鼻水等)や空気を介して感染します。

発熱、くしゃみ、鼻汁等人間の風邪に似た症状から関節炎、口腔内の潰瘍、肺炎など様々な症状を起こします。

また、体内にウイルスが存在するものの症状を示さないタイプもあります。このタイプは感染源として特に注意が必要です。

(口の中の潰瘍等はなかなか気づきにくいですが、口の中が痛いが故に『ご飯を食べない』や『グルーミングが出来ず毛並みが悪い』ということに繋がっている可能性もあるので参考にしてみてください😌

 

<猫ウイルス性鼻気管炎ウイルス>

こちらも猫風邪の原因となるウイルスで、これの正体はヘルペスウイルスというものです。

先ほどのカリシウイルスと感染経路も症状も似ているのですが、こちらは重度の結膜炎を起こします。

また、ヘルペスウイルスは一度感染すると永続的に体内に存在し続けるため、一度回復してもストレスにより再び症状が出ることがあります。 

 

<猫汎白血球減少症ウイルス>

こちらの正体はパルボウイルスです。

ウイルスを体内に持つ猫の唾液や糞尿、血液が口に入ることで感染します。

このウイルスの感染力はとても強く、直接ウイルスを持つ猫に接触していなくても、人間の手や周囲のものに付着してしまった唾液等を介して感染してしまうことがあります。

症状としては、下痢や腸炎などの消化器症状をメインに引き起こします。重度の下痢から脱水を引き起こし、最悪の場合死に繋がる可能性もある危険なウイルスです。

また、その名の通り白血球が少なくなるため免疫が低下し他の感染症に罹りやすくなったり、幼い頃に感染すると脳の形成不全を起こしたりもします。

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これら3つの病気を予防できるのが、3種混合ワクチンです。

しかし、ワクチンにはアレルギー反応等の副作用も存在します。

今までワクチンを打って副作用が出たことがないという子でも、ワクチン接種時は毎回気を抜いてはいけません!!

その日の体調を含めしっかりと主治医の先生と相談してからワクチン接種してください😌

猫を迎え入れたら…

2024年6月7日(金)

猫はすごく可愛いです。

頭の先から尻尾の先まで余すことなく可愛い、

ただ歩いているだけで最高に可愛い魅惑の生き物です。

 

この世には、ネコを飼いたいけど具体的に何をすればいいかわからないし、それがハードルとなりなかなか猫ちゃんの底なし沼に飛び込む一歩が踏み出せない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

ここでは、そんな方へ最初の一歩を踏み出すお手伝いができるように『猫を迎え入れたら病院ですること』をご紹介したいと思います。

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猫を迎え入れたら病院ですることは、大きく分けて4つ。

①ワクチン接種

②寄生虫検査

③ウイルス検査

④避妊去勢手術 です。

これだけ見ても、寄生虫ってなに?ウイルスってなんの?というかワクチンってなにを予防してるの?というお話なので、

これから3回に分けてそれぞれを詳しく説明していきたいと思います!!

(④の避妊去勢手術については他のページでご紹介しているので、そちらを見ていただければと思います🙇

 

GS-441524の治療と論文

2024年5月27日(月)

GS-441524の治療についての論文

GS-441524は、猫伝染性腹膜炎(FIP)に対する効果的な治療法として広く注目されています。研究論文も複数存在し、その治療効果やメカニズムについて詳しく探求されています。以下は、いくつかの主要な研究とその内容です。

抗ウイルスメカニズムの解明

Cornell大学の研究では、GS-441524の抗ウイルスメカニズムが詳細に検討されています。この研究は、GS-441524がウイルスRNAの合成を阻害する核酸類似体として機能するだけでなく、ウイルスマクロドメインにも結合し、宿主の抗ウイルス防御システムを強化する可能性があることを示唆しています。この二重の作用メカニズムは、GS-441524の高い効果を説明する重要な要素です​ (Cornell Vet)​。

治療成功率と経口投与

最近の研究では、GS-441524の経口投与と注射投与の比較も行われています。経口投与は猫のストレスを軽減し、飼い主にも扱いやすい方法とされています。ただし、経口投与では吸収率が低下する場合があり、特に消化器系に問題を抱える猫には不適とされています。注射投与と経口投与の成功率はほぼ同等であるとされていますが、一部の猫では経口投与に対する反応が注射投与と異なる場合があります​ (Zen By Cat | House of Nekko | Home)​。

参考文献

 

 

GS-441524の入手と治療の現状

2024年5月26日(日)

GS-441524の入手と治療の現状

GS-441524はFIP治療において有望な薬として注目されていますが、いくつかの問題点が存在しています。

法的規制と入手の困難さ

GS-441524は多くの国でまだ正式な薬事承認を受けていないのが実情です。(2024年5月現在)そのため、合法的に入手することが難しく、飼い主や獣医師にとって大きな課題となっています。一部の飼い主は、インターネット上で非合法に薬を購入することを余儀なくされていますが、これには偽薬や品質の問題が伴うリスクがあり、安全性が保証されていません。

医薬品の規制

一部の国では、GS-441524の使用が特定の条件下で許可されている場合もありますが、これには厳しい規制が伴います。例えば、治験としての使用や特定の研究機関でのみ使用可能なケースが多いです。これにより、一般の飼い主が治療を受けることが非常に限定されています。

治療のコスト

GS-441524による治療は非常に高額です。治療期間は通常12週間程度であり、毎日の注射が必要です。このため、治療全体のコストが非常に高くなり、多くの飼い主にとって経済的な負担が大きいです。また、輸入コストや非合法ルートでの購入はさらに価格を引き上げる要因となります。

薬の供給と品質管理

現在、GS-441524の供給は安定しておらず、一部の製造元からの供給に依存しています。また、非合法に取引される薬には品質管理が徹底されていないものも多く、効果が望めない場合もあります。なので、動物病院での治療を受ける際はその点をしっかり獣医師から聞く必要があります。

獣医師のサポート

GS-441524は新しい治療法であるため、すべての獣医師がその使用経験を持っているわけではありません。適切な治療を受けるためには、FIP治療に精通した獣医師の指導が必要です。

将来的な展望

これらの問題点を克服するためには、さらなる研究と日本国内での薬事承認が必要です。多くの猫を救うために、GS-441524のような有望な薬が広く普及しやすくなることが期待されています。現在も進行中の臨床試験や研究により、将来的にはより安全で効果的な治療法が確立されることが望まれております。


 

猫伝染性腹膜炎の治療

2024年5月24日(金)

猫伝染性腹膜炎の治療:希望と挑戦

猫伝染性腹膜炎とは?

猫伝染性腹膜炎(FIP)は、猫における致命的なウイルス性疾患で、猫コロナウイルス(FCoV)によって引き起こされます。FCoVは一般的に無害ですが、一部の猫では突然変異を起こし、FIPに進行することがあります。この病気は腹部や胸部に液体がたまり、全身に炎症を引き起こします。

FIPの症状

FIPには湿潤型と乾燥型の2種類があります。ウエット型では、腹部や胸部に液体がたまり、腹部膨満や呼吸困難を引き起こします。ドライ型では、腸や肝臓などの内部器官に炎症が広がり、発熱、食欲不振、体重減少などの症状が見られます。どちらの型も進行が早く、致死率が高いのが特徴です。

伝統的な治療法

従来のFIP治療は対症療法が中心であり、症状の軽減を目的としていました。抗生物質や抗炎症薬、利尿薬などが使用されることがありますが、根本的な治療法はありませんでした。そのため、多くの獣医師が安楽死を選択せざるを得ない状況でした。

新しい治療:GS-441524

近年、抗ウイルス薬GS-441524がFIP治療において注目を集めています。この薬は、FIPの原因となるウイルスの複製を阻害し、高い効果を示しています。多くの臨床試験で、GS-441524を使用した猫の多くが完全に回復した例が報告されています。

GS-441524は、カリフォルニア大学デービス校(UC Davis)のNiels Pedersen博士とその研究チームによって開発されました。もともとは、エボラウイルス治療薬として研究されていたRemdesivirの前駆物質です。FIPの原因である猫コロナウイルスに対する効果が期待され、猫での治療に転用されました。研究の結果、GS-441524がFIPの治療に非常に効果的であることが確認され、現在では多くの猫の命を救う治療法として使用されています​ (Cornell Vet)​。

メカニズム

GS-441524は、ウイルスのRNAポリメラーゼを阻害し、ウイルスの複製を妨げることで効果を発揮します。これにより、感染の進行を抑え、猫の免疫システムが病気と戦うのを助けます​ (Cornell Vet)​。

 

GS-441524の入手と治療の現状

GS-441524は現在、一部の国で利用可能ですが、正式な薬事承認を受けていないため、入手が難しい状況です。獣医師の指導の下で治療を行う必要がありますが、違法に取引されることもあるため、注意が必要です。飼い主は信頼できる情報源から薬を入手し、獣医師と密に連携することが重要です。

治療にかかるコストと時間

GS-441524による治療は、高額な費用がかかることがあります。また、治療期間は通常12週間程度で、毎日の注射が必要です。これにより、経済的および時間的な負担が大きいことが課題となっています。

飼い主ができること

FIPと診断された場合、飼い主としてできることは、早期発見と迅速な治療開始が鍵です。また、ストレスを減らし、免疫力を高めるための適切な環境を整えることも重要です。さらに、信頼できる獣医師との連携を強化し、最新の治療法や情報を常に把握しておくことが求められます。

未来の展望

FIP治療はまだ多くの課題がありますが、GS-441524のような新しい薬の開発により、多くの猫が救われる可能性が広がっています。今後、より多くの研究が進み、安全で効果的な治療法が普及することを期待しています。

おわりに

猫伝染性腹膜炎は恐ろしい病気ですが、新しい治療法の登場により、希望が見え始めています。愛猫の健康を守るために、飼い主として常に最新の情報を収集し、適切な対策を講じることが大切です。

 

与野駅前院 駐車場増えます!

2024年1月31日(水)

こんにちは、与野駅前動物病院です。

 20242月から、駐車場が増えることになりました!

場所は、以前提携していた西野駐車場の隣になります。

まだ病院の看板などはご用意できていません

そのためご不明な点はお電話いただければと思います。

現在ご案内中の西野駐車場は217日までとなり

2月からコインパーキングは対応不可となりますのでご注意ください!

北与野院臨時休診のお知らせ

2023年12月28日(木)

誠に勝手ながら

1月11日

北与野院終日休診とさせていただきます。

 

何かございましたら、与野駅前院か南与野院にご連絡下さい。

ご迷惑おかけしますが、よろしくお願いいたします。

年末年始について

2023年12月28日(木)

年末年始の日程のお知らせです。



12月29日(木)〜1月3日(水)は

南与野院にて午前中(10時〜13時)のみの特別診察になります。

北与野院与野駅前院終日休診とさせていただきます。

この期間の診察は診察の料金に加えて別途特別診察料(6,000円)がかかりますのでご了承ください。

診察ご希望の方は必ず事前に南与野院へのご連絡をお願いいたします。

南与野院 TEL:048-852-0323

 

※特別診察期間中でのフードの購入やお薬の処方はできません。

 

 

肺高血圧症

2023年2月15日(水)

肺高血圧とは,「肺動脈圧が異常に上昇してしまうこと」を言います。

肺動脈圧が上昇する原因は以下の3つにあります。

①肺の疾患により、肺血管の以上をきたす場合

②血栓などの血流障害によって引き起こされる場合

③フィラリアなどの寄生虫による心臓疾患

 

『肺動脈圧=右室圧』であるため, 肺高血圧があるかどうかの診断は,結果的に、肺動脈圧あるいは右室圧が異常に上昇している所見をみつけることで診断します。

肺動脈圧が上昇していれば、肺動脈弁逆流(2.5m /s以上)や三尖弁逆流(2.8m /s以上)が確認されます。

さらにその圧力のために肺動脈の血流障害(A CT/ET)や

心室中隔の扁平化などの所見がエコーで確認されます。

 

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