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濃厚接触者の定義って?????(2021年1月31日現在の情報に基づきます。)
2022年1月31日(月)
昨日、スタッフから、「濃厚接触者ってどういう人が当てはまるんですか?」
と聞かれて、そういえば、どういう指針になってるのかな?って思って調べてみました。
一応厚生省のホームページと埼玉県のホームページを見て調べました。
(随時更新の可能性がありますので注意してください。この記事は2021年1月31日現在の情報に基づきます)
Q1. 「濃厚接触者」の定義は何ですか。
A1. 新型コロナウイルス感染症のPCR検査等で陽性となった者(患者)と、感染の可能性 のある期間(症状が出る 2 日前から入院等になるまでの期間)に接触し、
以下の範囲に該 当する場合は濃厚接触者と定義します
濃厚接触という定義
*1:患者と同居や長時間の接触(車内・航空機内等を含む)した人
*2:マスクの着用なしに患者を診察、看護もしくは介護をした人
*3:患者の体液などの汚染物に直接触れた可能性のある人
*4:手で触れることのできる距離(1 メートル)で、マスクなどをせず患者と 15 分以上の接触のあった者
そして
*5:濃厚接触者と接触したとしても濃厚接触者と判定されるわけではありません。
ただ、、、マスク着用の有無、接触時間の長さ、距離の近さ、空間の密閉度や患者の症状などから状況に応じて総合的に保健所が判断します。
つまり
「濃厚接触者の認定は、原則として保健所が判断します。」と書かれておりますので、
不安なら保健所に連絡するということみたいですね。
最近は自主隔離、自主診断、自主申告になってますが、この定義が曖昧になりそうですね?
※令和4年1月28日一部改正の厚生労働省事務連絡に基づき、一部内容を更新しています。
埼玉県の保健所
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0710/covid-19/noukousessyokusya.html
猫ちゃんの第二の体温計:「SAAについて」
2022年1月31日(月)
猫ちゃんの第二の体温計:「SAAについて」
炎症といっても患者さんが痛い辛いと言わない限り炎症が起きているのかどうか、獣医師が判断することはとても難しいです。人では体温計を使いますよね。もちろん犬や猫ちゃんでも体温を測定しますが、滅多なことじゃないと体温は上昇しませんし、体が弱っているのに体温は正常なことだってたくさんあります。
なので、猫ちゃんの体調を判断するのには体温計だけではわかりません。動物医療にとって獣医師が炎症に築けるかどうかはとても重要なポイントなので、今日は炎症マーカーについて記事を書きたいと思います。
人間では炎症の判断について、血液検査で炎症性マーカーというのが古くから使われてきました。人間の炎症性マーカーはCRP(別名C反応性蛋白)と呼ばれます。これは血液検査で簡単に測定が可能であり、この数値が高いと生体メカニズムに大きな影響与える炎症が存在すると診断ができます。
以前までは人間用のCRPを応用して獣医領で検査として使用できるかなど、模索した時代もありましたが結果的にうまくいきませんでした。
その結果を受けて犬用のCRP 検査の開発が行われました。
現在、犬のCRPは人間と同様に血液検査機械で院内検査が可能です。
CRPの値が高いければ「生体メカニズムに大きな影響与える炎症が存在する』と考えて治療に対応することができます。
「では猫はどうやって炎症の有無を判断するの?」
猫は痛みがあっても飼い主に伝えることがあまりなく大変繊細で痛みのストレスで手遅れになってしまう場合がとても多い動物です。
猫では犬のCRPと同様、炎症反応性蛋白を測定する研究が行われてきました。そして猫の炎症を示唆する炎症マーカーであるSAAを発見し測定することが可能になりました。
これにより猫ちゃんの炎症の有無を詳しく簡単に調べることが可能になり、多くの猫ちゃん達の診察に有用なツールになりました。
新型コロナウイルスの生存時間
2022年1月29日(土)
新型コロナウイルスの大気中での感染可能時間が解明されました。
報道によると、皮膚やプラスチック上で存在できる時間がコロナ株によって異なり、オミクロン株は今までのコロナ株より、より長期間、空気中に存在可能でであることがわかり、爆発的な感染の解明につながりました。
現在流行しているオミクロン株はプラスチック上では190時間。皮膚表面では21時間の感染可能時間があるとの研究報告です。これは他の株よりも感染力を維持していることを示す有力な論文報告で現在の感染拡大の大きな要因とされます。またアルコールを含む消毒薬を15秒足らずでオミクロン株の活動生を低下させることができるとのことなので、消毒は効果ありです。
心を惑わせられず、冷静な対処が必要です。
京都府立医科大学より転記
心不全の犬に対してどの利尿薬が効果的か?
2022年1月28日(金)
心不全の犬に対してどの利尿薬が効果的か?
心臓病に対して効果的な利尿薬。
利尿薬といっても「短時間的作用を持つラシックス」と「長時間的効果を有するトラセミド」があります。どちらの利尿薬もループ利尿薬と呼ばれ、腎臓に対して少し負担がかかりますが、心不全治療薬の大きな武器になっています。
今日は心不全状態に陥ったイヌのフロセミドとトラセミドの利尿薬の効果の比較試験の論文について紹介します。
「僧帽弁閉鎖不全症の心不全の犬におけるトラセミドミ投与効果TEST STUDY」
ループ利尿薬であるラシックス(フロセミド)は短時間で絶大な利尿作用を有しております。効果時間が短いために、昨今これに代わる長時間型ループ利尿薬であるトラセミドが犬の心不全に効果的であるのではないか、という大規模な実証検証が行われました。366頭の僧帽弁閉鎖不全の心不全のイヌを対象にして短時間型ループ利尿薬フロセミド1日2回と長時間型ループ利尿薬トラセミド1日1回投薬して3ヶ月(90日)の比較モニタリングを行いました。
結果
「フロセミド(1日2回投与)よりトラセミド(1日1回投与)の方が効果があり、心臓死のリスクを大幅に減少させる」ことがわかりました。
しかしながら、トラセミドの長期投与は腎臓に大きな負荷がかかるなど副作用の発現も多く見られ、定期的な腎臓のチェックが必要なことも明らかになりました。
Chetboul, V., et al. “Short‐Term Efficacy and Safety of Torasemide and Furosemide in 366 Dogs with Degenerative Mitral Valve Disease: The TEST Study.” Journal of Veterinary Internal Medicine (2017).
心室間相互依存とは
2022年1月28日(金)
心室間相互依存とは
心室間相互依存性依存とは左右の心室のどちらかの障害により片方の心室に影響与える状態。最終的には左右の心室の機能が低下して心不全心拍質量の低下が引き起こされます
これってどういうことかって言うと、、心臓っていう臓器は心外膜という膜に囲まれておりいます。つまり心臓は膜と言う名前の箱に入れられているのでが拡大してしまうと物理的に左心系が圧迫されて、右心室と左心室の機能のバランスが破綻してしまいます。結果的に右心系がさらに拡大し最終的に左心系の機能が著しく低下し心拍出量の低下につながります。
僧帽弁閉鎖不全症・肺高血圧症など心室の問題が起こると心室が拡大を引き起こし、それによって反対側の心室も影響を受けることを心室間相互依存と呼んでます。
最終的には「両方の心臓に悪化につながる」可能性があるとこを視野に治療をしていきますよう。
心臓が悪くなると、なぜ腎臓も悪くなるのか・
2022年1月28日(金)
心臓が悪くなると、なぜ腎臓も悪くなるのか?
心不全によって引き起こされる腎臓病を「心腎関連症」と呼びます。
今回はこの病気のメカニズム:負の連鎖について書きたいと思います。
心臓病になると心臓がうまく血液を循環させることができなくなります。
血液の還流が滞ることによって、ダメージが起きやすい臓器が腎臓です。
心臓が悪化すると拍出量(血流量)が減少し腎臓への血液量の減少が生じます。
血液中の酸素や栄養分を腎臓に届けることができなくなり、腎臓は栄養不足・酸欠状態になって腎臓の細胞が死んでいきます。腎臓の機能がある一定まで低下すると体中の窒素産物を尿として排出する機能が失われていき、それによって体は尿毒症を起こしてきます。
しかし、尿毒症を回避するために腎臓の動脈が過度に収縮してしまう機構(RASSの活性化)が働き、水分だけが尿として排出され、結果的に血中の尿毒素(BUN)が増加してしまいます。さらに心臓病の薬である利尿剤を投与すると、腎臓に負担をかけて尿を産生させ、さらに体を脱水に導きます。結果的に、心臓の薬によって、腎不全に拍車がかかり心不全に腎不全が併発してしまう病態につながります。